笑いと涙と勇気がたくさん詰まった、憲法記念日の山田洋次講演会

2016.05.05 Thursday 09:34
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    5月3日は憲法記念日。

    これまでも、盛大にこの日を迎え宣伝や講演会、集会が各地で開催されてきたでしょうが、
    今年は、これまでのどの年よりも非常に重大な局面で憲法記念日を迎えました。

    私は、「2016年松戸憲法記念日のつどい実行委員会」主催の、
    「山田洋次さん講演会」に参加しました。

    松戸シティフィルハーモニー管弦楽団(有志)の演奏と、
    東葛合唱団はるかぜのみなさんの合唱では、
    沖縄の小学生の発言に作曲をつけた「へいわってすてきだね」、
    舞台と観客席が一体となった「故郷」が、会場いっぱいに広がりました。
    音楽は素晴らしい!!

    その後は、「かあべえ」の3つのシーンが上映され、
    山田監督ご自身の思い出話のような飾らぬ言葉で、
    憲法記念日らしい、人間の尊厳を話されました。

    私が特に興味深く聞いたのは、「男はつらいよ」の寅さんの生きざまにふれながら、
    実に見事な、憲法の25条の生存権の紹介でした。

    健康保険に未加入の寅さんを妹のさくらが心配するシーンがあり、
    直後に厚生省の、何とか局の方から丁寧な手紙がきたこと。
    「寅さんは住所が不定のようですが、
    妹のさくらさんの住所で健康保険に加入ができます」と。

    真面目な役人さんでした。

    しかし、もし、本当に病気になり、
    (渥美さんは事実、体が丈夫ではなかったとのことです。これは後述)
    生活できなくなってしまったら、健康保険のように役人さんが、
    「あなたは生活保護を受けてください」と言ってくれるだろうか?

    申請主義の生活保護であること。
    さらに、生活保護をできれば削減しようとしているのに、
    簡単に受けられないだろう、とも。

    実は渥美清さんは、幼少期の時から病弱で休みがち、
    非常に貧しく、学校にお弁当を持ってくることができなかったそうです。
    見かねた校長先生は、ポケットマネーで近所の農家からお米を買い、
    それを学校の小間使いさんにおにぎりにしてもらい、
    空腹の子らに食べさせてやっていたと。

    渥美さんは台本を撮影現場には持ってこないので、不思議に思っていると、
    3回ほど読むと頭に入ってしまうという、「非常に頭のいい人」だったようです。
    しかし、ご自身いわく、「悪がきで勉強をしなかった」と。
    しなかったのではなくて、病気で学校を休むことが多く、
    だから、勉強についていくことができなかったのではないだろうか。
    きちんと、医療を受け、学校に行っていたら、
    優秀な学者か芸術家になっていたと思う、と。

    これらの話の間、私は涙が止まりませんでした。
    1人の俳優の生き方から繰り広げられる、生存権の保障の意味。
    それを、声を荒げることなく、憤りを淡々と話す、素晴らしい告発の仕方でした。

    寅さんの「労働者諸君、元気に働いているかね」を、観客はドッと笑う。
    高額のギャラをもらっているだろう、渥美さんを。
    労働者の仲間として受け止めているということかもしれない、と。

    幼少期の貧しさを、生涯ずーと胸に抱き、
    弱い立場の味方でありたい、と思っていたのではないだろうか。
    だから、知事や市長などとの面会は本当に嫌がったのではないだろうか、と。

    戦後の憲法、9条に触れたときの思いや、映画を楽しむ文化と映画の見方など、
    そのほかも盛りだくさんの話でしたが、私が強烈に感動したのは上記の部分です。

    それにしても、会場からの質問に答える山田さんの、何と謙虚なこと。
    質問の多くは、山田さんの作品に影響されたり、情勢をどう見るか、
    どうすればいいかという、示唆を求め教えを乞うようなものが多かったのも特徴的でした。
    不公平な社会のジャッジメントを期待されている山田さんが、
    「そのように考えたり話し合ったりすることが大事ではないでしょうか」
    というスタンスで回答する。
    そして、会場全体が「やっぱりそうだよね」と、溜息でなく鼻息のような吐息が一拍あり、
    またまた元気になる、そんな空気に満ちていたと思います。

    帰路は松戸から路線バスに乗って南下し、
    矢切を通りながら、川向うの柴又の景色と寅さんの笑顔を思い浮かべながら、
    歴史に「もしも」はないけれど…、と少し考えてしまいました。

    山田さん、スタッフのみなさん、ありがとうございました。

    (寅さんと渥美さんの話を大ファンの夫にしたら、知っているようでした…)


     

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    2017.05.22 Monday 09:34
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      Comment
      はじめまして。
      千葉県在住、戦争法案に憤る56歳の主婦です。
      千葉県参院選に出馬された浅野さんのお人柄に興味を持ってブログを拝見しました。
      わたしも寅さんが大好きですが、あの作品を福祉の視点から御覧になっているところに驚き、浅野さんの優しさに感動しました。こんな方にこそ政治をやってほしいと思いました。

      絶対に浅野さんと共産党に勝っていただきたいので、おこがましいこととは思いながら敢えて苦言を申し上げます。
      25日の毎日新聞の「主な候補者の横顔」は自己紹介が少々くどいです。ポストに入っていた赤旗の内容も同様ですが、苦労話に力点を置きすぎた結果、浅野さんさんの はつらつとした魅力が見えてこないのです。

      政治家が語るべきは過去ではなく未来です。
      人々が聞きたいのは愚痴ではなく希望です。

      ブログの文章がこんなに知性的で明るく力強いのに、ここをアピールすればいいのに!
      もっと浅野さんの魅力を伝えるには、まず政策を大きく掲げて、明るい未来をシュミレーションしてみせることだと思います。
      なぜそう思うようになったのかは後からでいい。

      筆者の田之上達也さんの書き方がお粗末なのは仕方ないとしても、女優が舞台に立つように、印象に残るようなメッセージを「常に」発信してください。

      この選挙は日本の未来が掛かっています。
      共産党と浅野さんに勝ってもらわなくては困ると拳を握っている人間がたくさんいます。
      18歳の少年少女の心にも届くメッセージを発信してください。……などと素人が失礼な事を申し上げました。お許し下さい。
      いつも応援しています。お忙しいことと思いますが、どうかお体に気をつけてください。

      • nemu
      • 2016/06/26 1:37 PM








         

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      日本共産党の浅野ふみ子です。
      2歳、5歳、7歳の3人の子育て真っ最中です。
      子育て世代、働く女性の声を届けるために頑張ります。

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